第3回の舞台は豊かな風土に恵まれた福島県・飯舘村。
地元からも都会からも多様な講師が集まり、参加者と一緒に日本を学び、日本に遊ぶ。2007年11月に第三回日本再発見塾を開催しました。
飯舘村について | 講師陣 | タイムテーブル |
当日の様子 1日目 | 当日の様子 2日目 | 参加者の感想 |
報告書(PDF/1.77MB) |
◇
飯舘村は、福島県の県都福島市から東へ車で約1時間ほどの阿武隈山地の北部に所在する人口6500人ほどの純農山村です。気候的には、標高400m以上の高原に位置することから夏涼しく冬は寒さが厳しいところでもあります。
主な産業は農業ですが、特に、黒毛和牛の飼養が盛んで、《美味しい牛肉飯舘牛の里》としての名声も徐々に高まって来ています。
阿武隈山系の北端部に位置する村にはたくさんの自然と緑に囲まれています。また、そこには大自然と清らかな水、そして豊かな風土に恵まれ、悠々の時を経て造りあげた結晶であり、村の宝「いいたて みかげ石」が豊富にあります。村のいたるところにみかげ石を使った道標(みちしるべ)やモニュメントがあります。
菅野典雄村長が黛まどかさんへ送った1通のラブレターから始まった、愛の句碑事業。全国から贈られた家族や恋人への愛の句の中より厳選されました250句が飯舘産のみかげ石に刻まれ、「愛の句碑」として村民の森あいの沢に永遠に置かれています。
近年は、気温の日較差を利用した花き類の栽培や高原野菜の栽培農家も増えて新しい産業として育ちつつあります。
飯舘村は、少子・高齢化社会の中で、交流人口の増大・定住人口の確保を計りながら種々の施策に取り組んでいます。U・Iターン希望者等に対しても土地、建物取得時の借り入れ金に対する一定率以上の部分の利子補給制度も創設しています。
また、飯舘村は、平成の市町村大合併のときに、周辺町村と参画していた合併を離脱し、自立の道を選んでいます。独立自尊の新しい日本の市町村のあり方、日本人の生き方を追求している村でもあります。
◇
俳人 | :黛 まどか |
万葉学者 | :上野 誠 |
作家 | :塩野 米松 |
国文学者 | :高橋 世織 |
料理人 | :野ア 洋光 |
料理人 | :富澤 貞身 |
養蜂家 | :藤原 誠太 |
志野流香道家元後嗣 | :蜂谷 宗 |
スポーツジャーナリスト | :増田 明美 |
エッセイスト・国際ラリースト | :山村 レイコ |
大雷神社元総代 | :赤石沢 弌彦 |
村の暮らし・人足・結 | :齋藤 政行 |
大工・民芸品作製 | :佐藤 文良 |
野菜作り・自給自足実践 | :高野 チヨ子 |
村の歴史・民俗 | :多田 宏 |
狩猟・林業家 | :只野 俊 |
ミニわらじ創作 | :永沢 清 |
前田炭部会 | :花井 正志 |
前田炭部会 | :菅野 一郎 |
竹の手作りお箸 製作 | :高野 靖博 |
チラシ・ポスター・ウインドブレーカー・名札 デザイン | :麹谷 宏 |
チラシ・ホームページ コピー作成 | :田中 達也 |
竹の手作り器、コップ、会場装飾品 製作 | :羽賀 清 |
チラシ・ポスター デザイン | :松吉 太郎 |
当日映像撮影 | :松永 勉 |
当日写真撮影 | :南浦 護 |
チラシ・ポスター 「までい」の書 | :今井 美理ちゃん 小学校3年生 |
イータテベイクじゃがいも研究会 | 飯樋町老人会 | 上飯樋行政区 |
前田・八和木行政区 | 氣まぐれ茶屋ちえこ | 食を考える会 |
までい民宿どうげ | その他の皆様 |
赤坂神楽団 | 外内手踊り保存会 |
◇
平成19年11月3日(土)
9:30 | 受付開始(JR福島駅西口改札付近) |
12:00 | 開講式 |
12:40 | 昼食準備 全員で配膳しました |
12:50 | 昼食 地産地消にこだわったおいしい給食を味わいました。 |
13:30 | 第一部 何もなかった日本=いまより豊かな日本?! 聞き手:塩野米松師範 達 人:多田宏、永澤清、佐藤文良、高野チヨ子 地元のお年寄りから、過去60〜70年の生活の移り変わりを伺い、 何もなかった頃の知恵や工夫にあふれた生活をまなびました。 |
15:30 | 第二部 何もなかった日本=いまより豊かな日本?! |
(1)里の文化、言葉 (訪問先:大雷神社) 師範:高橋世織、黛まどか、蜂谷宗 達人:赤石沢 弌彦、永澤清、高野チヨ子 江戸時代から村の雨(雷)を恵む「田の神様(たのがみさま)」と呼ばれ親まれている「大雷神社」で歌、四季をとおして里の文化を学びました。 |
|
(2)住まいの文化〜山と共に生きる〜(訪問先:只野俊宅) 師範:佐川 旭、藤原誠太 達人:只野俊、佐藤文良 昔ながらの[までい]なつくりの民家(昭和4年に建築)を探訪しました。長年、山とともに生きてこられた達人から、木材や狩猟を通しての山との関係、生態系の変化などを学びました。 |
|
(3)村の暮らし〜までいな手仕事〜(訪問先:前田直売所) 師範:塩野米松、山村レイコ 達人:齋藤政行、花井正志 村人のふれあいの場として親しまれている直売所で、昔ながらの様々な手仕事を体験しながら、暮らしの知恵やまでいな暮らしぶりを学びました。また、人足の文化(助け合い)も交えお話をうかがいました。 |
|
17:00 | 第三部 100年前の料理は、平成のご馳走 師範:野ア洋光、富澤貞身 達人:飯舘までい料理を作っていただく皆様 飯舘の「食の歳時記」を、福島県出身の料理人・野ア洋光、富澤貞身両師範より学びました。また、両師範の今風のスパイスが加えられたオリジナル郷土料理を参加者と 一緒に作り上げ、味わいました。 |
18:30 | 夕食会 |
20:00 | 交流会 第二部で 見て、歩いて、食べて学び感じとった、里の文化、住まいの文化、 までいな手仕事について、皆で意見を交わし更に考えを深めました。 |
21:00 | 各民泊先へ |
平成19年11月4日(日)
早朝 | 起床 各家で農作業・牧畜作業のお手伝い? 朝食 各ホームスティ先で家庭の味を堪能しました。 |
6:30 | 増田明美師範と早朝ジョギングを楽しみましょう!(希望者) |
8:00 | 蜂谷師範と聞香を楽しみましょう!(希望者) |
9:30 | 二日目会場「きこり」集合 |
9:50 | 〜までいな琴の調べ〜 演奏者:榎戸二幸(生田筝曲) |
10:15 | 第四部 『歌垣』復興 平成初? 歌・俳句で始める新コミュニケーション 師範: 黛まどか、上野誠 『歌垣』について、上野師範のお話を伺い、古の日本へ思いを馳せました。その後、愛の問歌・問句の作者が選者となって、寄せられた答歌・答句の中から心が通う作品を抽出しました。選ばれた作品の作者には、問歌・問句作者より素敵な贈り物もありました。 |
12:00 | 昼食 新たな飯舘料理を味わいました。 |
13:00 | 第五部『までい』放談会 講師・達人のそれぞれが、飯舘の2日間を振り返り、「までい」をテーマに、私たちの暮らし、日本文化の何を守り、何を捨てるのかを、賑やかに議論しました。 |
14:45 | 閉講式 |
15:30 | 解散 |